2006年に発売された「アーマード・コア4」のレビュー記事です。(ネタバレなし)
前作から一新された新世代のアーマード・コア!
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ACがどんなゲームかわからない方はこちらで魅力など解説してます。
「アーマード・コア」シリーズって何?魅力や特徴をファンが解説!
【初代アーマードコア】レビュー|自由なカスタマイズ!メカ好き垂涎の一作
概要
「ARMORED CORE4」は2006年にPS3で発売されたロボットカスタマイズアクション。(後にXBOX360でも発売)
開発はもちろん「ACシリーズ」を手がけるフロム・ソフトウェア。
自分のマシンをカスタマイズして出撃するという概念はそのままに、ゲーム性やデザインなどが一新されました。
プレイの様子
ストーリー
現代の延長線上にある未来。世界は末期症状を呈していた。
人口爆発による食糧およびエネルギー資源の慢性的な不足。
近視眼的な開発により無秩序に拡大する極地。
二極化した享楽と貧困は、救いようのない諦観と憎悪を醸成し、国民国家政府は、徐々にその統治能力を失っていた。
頻発するテロと暴動により、多くの都市が廃墟と化す一方で、秩序の崩壊により重要度を増した軍隊は、高度に機械化され、幾つかの企業が、強力な軍産複合体を形成、その影響力をかつてないほどに拡大させていった。加速する破綻が、経済システムのそのものの存続を危うくするに至り、大きな転機が訪れた。すなわち、既に実質的な最高権力として機能していた6つの巨大企業グループが、国民国家政府による秩序維持に見切りをつけ、自らによる新しい秩序を構築するため、全面的な戦争を開始したのである。
国家解体戦争の勃発である。
国家解体戦争は、企業側の一方的な奇襲によって始まり、多くの国家軍隊が、企業の最新鋭兵器、特に30機足らずの新型ACの前に、なすすべなく壊滅していった。
戦争終結まで、およそ一ヶ月。
人類史上に類を見ない大規模クーデターは、極めて短期間の内に、圧倒的に決着するのであった。戦争終結後、企業により、秩序維持のための新しいシステムが構築された。
人々は、コロニーと呼ばれる群居地に属し、労働の対価として糧食を保証される一方で、市場経済とは完全に切り離され、賢明な経済主体たる企業は、自分たちだけの市場を持ち、そうした人々を統治した。企業は、このシステムを「経済による平和(パックス・エコノミカ)」と嘯き、限りある資源の節度ある再分配を最適に実現するものであると喧伝したが、世界を明確に階層化する新システムは、ある意味で社会主義的、さらに言えば奴隷制度的ですらあった。
企業統治の開始から5年。
軍事力の独占と、人々に蔓延する無気力により、新しい秩序は表面上の安定を保っていた・・・。
引用元: ARMORED CORE 4 – Title line up | ARMORED CORE OFFICIAL SITE ストーリーより
前作との繋がりは一切なく、完全新規のストーリー。
主人公に背景があったり、所属している勢力が明確だったりとACシリーズにしてはちょっと珍しいタイプです。
しかし会話やテキストで読み取るストーリーの面白さは健在で、シリーズでもトップクラスの出来だと思います。
TPS型のロボットカスタマイズアクション
本作も他のシリーズ作品と同じように3人称視点のロボットアクションです。
パーツを組み合わせて自分だけの機体を組み上げるカスタマイズ制も健在。
新しいアーマード・コア「ネクスト」
これまで発売された10作品に比べて大きく変わった要素が多い本作。
大きく変更されたその理由は「アーマード・コア」という兵器の存在が大幅に変わったことによるものが大きいです。
以前のACはすごく強い兵器、つまり1年戦争におけるガ○ダムのように、他の機体と比べても強い程度でした。
ところが本作のAC「ネクスト」はガ○ダムどころかガ○バスターぐらいに強力なので、単機で相手の勢力を壊滅させることが可能なほどの戦力となってます。
この設定の変更によって新要素、操作方法などゲームシステムに様々な変更がなされてます。
ハイスピードロボットアクション
新たなAC「ネクスト」になったことによって、とにかくゲームスピードが上がりました。
さらに新要素「クイックブースト」による急速回避が可能になったので、これまでのシリーズとは大きく違った操作性に。
相変わらず操作は難しいですが、よりスピード感があり爽快感のある戦闘になりました。
防御フィールド「プライマルアーマー」
こちらも「ネクスト」によって生まれた新要素。
防御フィールド「プライマルアーマー」(PA)によって、被弾のダメージを大幅に抑えてくれます。
PAはゲージ制で時間回復しますが、攻撃を受けると減少。
そのため短期間のうちにどれだけ火力を叩き込めるかが重要になりました。
機体のカスタマイズ
これまでのシリーズと同様に頭、胴、腕、足など様々な箇所をカスタマイズできます。
さらにペイントはより細かく色分けできるようになっており、「デカール」を貼り付けることも可能になりました。
個人的に注目したい新要素は2つ。
1つは作った機体を保存できる「機体図面」。
これのおかげでかなりの数の機体を保存しておけるようになったので、複数の機体を組むときに便利になりました。(ちなみに前作のLRですら5機体のみ)
もう1つは新パーツカテゴリーの「スタビライザー」。
スタビライザーはパーツとしての性能をほとんど持たない(微妙な重量と機体の姿勢に影響)飾りだけのパーツで、より機体のデコレーション性が上がりました。
総じてパーツの数は少なくなったものの、機体を飾り付けする幅は大きく広がったように思えます。
パーツの性能を左右するレギュレーション
ハードは新世代機に移り、ネット接続ができるようになったのでいわゆる修正パッチ「レギュレーション」が配信されるようになりました。
レギュレーションは各パーツの性能を調整したもので、これによっていわゆる「産廃パーツ」になったり「ぶっ壊れパーツ」になることも。
結構ガバガバなパーツバランスが多かったので、レギュレーション次第では完全に別ゲーになるといっても過言ではありません。
ついに念願のネット対戦が実現
オフラインでも画面分割で対戦することはできますが、ついに本作でネット対戦が実装されました。
しかし実際のところ、高速化した戦闘によってあまりにもラグがひどすぎてまともな対戦ができなかったらしいです。
(ネット対戦は次回作のAcfaしかやったことがないので…)
良かったところ
クイックブーストによる新しい戦闘
新機能「クイックブースト」による高速戦闘が非常に爽快感があって面白かったです。
ACの回避方法といえばこれまで、地面をピョンピョン跳ねて敵の弾に当たらないように動き回るのがメインでした。
しかしこのクイックブーストによって、攻撃を能動的に回避することが可能に。
急速に移動することで相手のロックから外れたり、または急襲を仕掛けたり…。
まさしく気分はロボットアニメに出てくるようなエースパイロットでした。
新世代機による美しいグラフィック
PS2からPS3へと移り変わり、グラフィックのキレイさが大きく向上しました。
機体がより美しく見えるのもありますが、なんといっても凄まじい物量を描いてること。
(処理落ちは結構ありましたが)
最新ゲーム機の性能による描写力で、広いフィールドや多くの敵を描いてます。
それを圧倒的な力で粉砕するマイ機体、これが新しいACなんだなと。
ACシリーズとしていろいろ変わったことで心配なところがありましたが、正直かなり良い方向に進化してくれたと思います。
あとグラフィックと言えばシリーズ恒例の評価の高いOPは本作も異常なクオリティなので、非常に見応えがある出来です。
ここはイマイチ
ロード時間の長さ
とにかくロードをする頻度が多い、そして長い!
ミッションを開始するごとに入るロードがメチャクチャ長いです。
ミッションなんて短ければ1分もかからずに終わるのに、1分近くかけてロードするのはかなりウンザリします。
また機体を組むときのロードも長いところにも、余計なストレスを感じてしまいました。
各パーツの噛み合わせが悪い
ACシリーズの魅力といえば機体のカスタマイズ。
以前のシリーズではどんなパーツを選んでもそれなりにカッコよく見えたのですが、今作はそうにはいきませんでした。
本作のACでは元々デザインされた機体があって、それを各パーツとして使うことができるといった感じです。
そのため適当に組み上げても全然デザインの統一感のなく、体のバランスもおかしいといったことが多くありました。
そのせいで見た目を考えて機体を組むと、限られた組み合わせしかできなくなるのが残念なところ。
とはいえ機体自体のデザインは素晴らしく、パッケージを飾る「アリーヤ」などはやっぱりメチャクチャカッコいいですね。
総評、終わりに
フロム・ソフトウェアが開発したACシリーズの第11作目、TPS型のハイスピードロボットアクション。
これまでのACシリーズと比べてグラフィックや操作感、ゲームスピードなど大きく変化してます。
やはり変わってしまったことでACファンとしては不安がありましたが、正直期待以上の出来でした!
中でも「クイックブースト」による高速戦闘は非常に爽快感があって面白かったです。
また逆に機体のカスタマイズは良い意味で変わりがなく、色分けの細かさやデカール、ほぼ飾りパーツのスタビライザーによって自分の機体をより細かくデコレーションできるようになったのは◎。
とはいえ良い部分だけ進化したわけではなく、パーツバランスの悪さ、ロードの長さ、ネット対戦のラグなど作りの甘い部分もあります。
ですがそれ差し引いてもロボットファンにはオススメできるぐらいに面白いので、気になった方は是非プレイしてみてください。
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