PSで発売された「アーマード・コア」(初代)のレビュー記事です。(ネタバレ無し)
オリジナルのマシンを作って出撃できるといったメカ好きの心を惹く名作!
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概要
「ARMORED CORE」(アーマード・コア)は1997年にフロム・ソフトウェアから発売されたTPS型のロボットカスタマイズアクション。
アーマード・コア(AC)シリーズの最初の作品です。
自由に自分のマシンをカスタマイズして戦うことができるのが特徴。
PS版の他にもゲームアーカイブス(PS3、Vita)の配信と、そしてまさかのPSクラシックへの収録が決定しています。
プレイの様子
ストーリー
「大災害」と呼ばれる戦争によって国家は崩壊し、人類は生活の舞台を地下へと移した。
半世紀後、国家に変わって「企業」が人類を導き繁栄を回復させたものの、苛烈な競争によって歪みが生じ、争いが耐えることがなかった。
しかし企業がすべての力を握る世界にも唯一の例外があった。
企業に属さず報酬によって依頼を遂行する傭兵、彼らは「レイヴン」と呼ばれていた。
プレイヤーは傭兵「レイヴン」となってあらゆる勢力の依頼を受け、最強の人型兵器「アーマード・コア」に搭乗し出撃します。
TPS型のロボットアクション
TPS(三人称視点シューティング)型のロボットアクションがメインです。
使われるボタンの数が異常に多く、非常にややこしいボタン動作になってます。
歩く、ジャンプ、ブーストダッシュといった行動で攻撃を回避しながら、腕や肩(背中)の武器で攻撃するのが基本的な戦闘方法です。
戦闘が始まるまで
出撃前にできることは機体のカスタマイズができる「ガレージ」や、依頼主などから送られてくる「メール」、他のレイヴンたちの様子が見られる「ランキング」など。
機体の準備ができたら「ミッション」で依頼内容を確認し、契約を交わし出撃します。
パーツを組み合わせて自分だけの機体が作れる
頭や腕など、各種パーツを組み替えることによって自分だけの機体を組み上げることができます。
ミッションで得られたお金を使ってショップでパーツ購入後、カスタマイズといった流れです。
パーツを変えられる箇所は、頭、胴体、腕、足、ジェネレーター、ブースター、FCS(ロックオンに関係)、肩の武装(左右)、腕の武装(左右)、オプショナルパーツの全12箇所。
カラーリングやエンブレムも設定できる
機体のカラーリングやエンブレムも自分で設定することができます。
カラーリングは各パーツごとに色分けできるところが4箇所あるので、かなり細やかに設定すること可能。
エンブレムは独自のペイントツールで自分で描き上げる必要があり、完成したものはACの肩に貼り付けられます。
(イメージとしてはドット絵を描くようなモノ)
2人で対戦
メモリーカードに保存したデータを使って、プレイヤー同士の画面分割による対戦ができます。
対戦目的でガチな組み合わせをするのも良し、ネタに走った機体を見てもらうのも良し。
自由に機体を組める楽しみをより広げてくれてます。
メモリーカードの補足
PSではセーブデータを保存するために「メモリーカード」という周辺機器で保存する必要があります。
それまでは「スーパーファミコン」などカセットにセーブデータが入っていたのですが、メモリーカードのおかげで友達の家に集まってお互いのセーブデータ同士で対戦といった事ができるようになりました。
良かったところ
オリジナルの機体を組むことができる楽しみ
自由にパーツを組み合わせてカラーリングを変え、オリジナルの機体で出撃する。
興味のない人にとっては「ふーん」ぐらいにしか思わないかもしれませんが、メカ好きにとっては夢のような要素なのです!
ガン○ムみたいな機体を再現したり、自分の専用機を作ったりと夢と妄想が広がりまくります。
そういった妄想を叶えるようにカスタマイズもかなり細やかに設定することが可能で、自分の思うような機体が組めるため戦闘よりガレージで機体を作ってる時間のほうが長いのではと思うほど。
とはいえまだ初代だけあってパーツ数が少ないので、やや物足りないところはありましたが…。
またACをデザインしているのはマクロスなどで有名な「河森正治」さんなので、これまた非常にカッコいい!
河森さんお得意の変形こそはないものの、ヒロイックなメカからいかにもやられ役のようなメカまで幅広く揃っているのは、さすがとしか言いようがありません。
パイロットとしての高い没入感
自分で思いどおりの機体を作れたりすることもあって、パイロットしての高い没入感がありました。
生い立ちが一切不明な主人公に、メールでの最低限のやり取り。
戦場に出ればBGMは控えめで、無機質な機械音や銃声が鳴り響きます。
一部ステージではBGMが無く怖いぐらいに静かなので、一体何が待ち受けてるのかとメチャクチャ緊張感がありました。
そして現れる強敵との最低限の会話。(命のやり取りをする前に多弁なのはリアリティが無いでしょう?)
こういったゲームらしい演出は控えめなので、戦場にいるキャラクターを動かすのではなく、自分がそこで操縦していると思わせるような高い没入感を発揮していました。
また簡単ながらもストーリー上の分岐があるのもグッド。
ここはイマイチ
操作性が非常に悪い
今どきのTPSといえば左スティックで自分(自機)の操作で、右スティックで視点を動かすことができます。
しかし当時のPSコントローラーにはアナログスティックなんてものはなかったので、LR(1、2)ボタンを全て使ってそれらをこなさないといけません。
回避をするためにもジャンプを交えた3次元的な行動をしつつ、ロックオンするため敵に視点を合わせる必要があるので、今の感覚で言ってしまうと操作性が非常に悪いと言えます。
とはいえその複雑な操作に慣れて、エースパイロットに成長していくのがACシリーズの1つの醍醐味でもありますが…。
超不親切な作品
フロム・ソフトウェアが手がける作品だけあって超がつくほどに不親切な作り。
まずゲーム開始するとチュートリアルもなしに戦闘が開始される上に出てくる敵が地味に強い!
ストーリーも専門用語が多すぎる上に演出が淡白なので頭に入ってきにくいです。
(そこはリアリティがあって没入感が増す要因でもありますが)
そしてなんといっても1番不親切なのは機体のカスタマイズ。
英語で何が書いてるかわかりにくい上に、パラメーターの数が多すぎてわけがわからない!
パラメーターに関する解説も一切ない(一応解説書に各パラメーターの名前は載ってます)ので、どのパラメーターを上げたら強い機体を組めるのかが非常に分かりづらいです。
適当に組んでもろくな機体が出来上がらないので、初心者にはちょっと敷居が高いゲームに…。
とはいえ不親切ではありますが鬼畜のフロムといえど難易度は「soulsシリーズ」と比べるとかなり易しいです。
総評、終わりに
ロボットカスタマイズアクション「アーマード・コア」シリーズの原点である本作。
自由な機体のカスタマイズや企業と傭兵を主軸としたストーリーなど、ACシリーズとして既にしっかりと方向性が定まっています。
昔から難易度の高い操作方法でしたが、今の感覚だとスティックがない本作の操作はより難しく感じることでしょう。
各種パラメーターも分かりづらく、ライトユーザーのことなんてまるで気にしないような作りです。
なのでPSクラシックに移植されたから名作なんでしょ?(ハナホジー)程度に思っていると痛い目に会いますよ!
しかしメカ好きな人によっては唯一無二で、これほどカスタマイズの自由度の高いメカアクションは他にはありません。
自分だけの機体で戦場を駆け抜けるのは没入感が高く、夢中になってプレイしていけました。
ACシリーズとしては難易度が低いので、旧作の入門にもオススメできる一作なので興味があるなら是非!
ACシリーズについて語ってるのでよければこちらも:「アーマード・コア」シリーズって何?魅力や特徴をファンが解説!