PCとPS3とXBOX360で発売中のFallout3(フォールアウト3)のネタバレ無しレビューです。
今回はPS3で発売された全DLC入りであるGOTY版のレビューとなります。
(DLCの内容にはほぼ触れません)
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概要
ベセスダソフトワークスが開発した、核戦争後の世界を冒険するFPSまたはTPSのオープンワールド型アクションRPG。
食料や水を求めて襲ってくる「レイダー」に、放射能によって巨大化した生物や暴走したロボットがうろつくような、極限の世界での体験を味わえます。
1950年代のアメリカが思い描いたような未来がモチーフで、召使いのようなブリキロボットに核融合エンジンの車など、レトロな雰囲気を感じられるような作りです。
プレイの様子
メインストーリー
核戦争から約200年後のアメリカ。
核シェルター「Vault101」で不自由なく育った主人公は、失踪した父親を追って地上を捜索することになります。
メインストーリーは無視して自由に動き回れるのもこの作品の魅力です。
核戦争後の世界を冒険するオープンワールド
核戦争後の世界で舞台が都市部のワシントンD.C.なので瓦礫の山や廃墟が多くを占めており、水や食料もほとんどが放射能に汚染されている不毛の地。
しかし人々は瓦礫から街を作り上げてたくましく暮らしていたり、あるいは「レイダー」(要は野盗)となって人々を襲いながら生活していたりと意外と生き残ってます。
放射能で凶暴化した生物や暴走したロボットなど、危険なモノがうろつく世界でプレイヤーは生き残らなければいけません。
マップ自体はそれほど広くないですが密度はなかなか濃いです。
ストーリー性のある様々なクエスト
冒険の中、様々なクエストに巻き込まれます。
単なるお使いというわけではなく、人々の思惑やドラマ性があるクエストが多く印象に残るモノも多いです。
クエストを解決する方法は自由で、話術を使って穏便に解決するのもよし、暴力で全てを解決するのもよし、気に入らなければ全員皆○しにして解決としてやっても良いのです。
ちなみに時間制限は無いので自分の好きなものから進めていけます。
ステータスやスキル
レベル制で様々なステータスやスキルを自由に振ることができます。
戦闘に関するステータスやスキルだけでなく、話術だったり機械に関するようなスキルだったりと、過酷な世界を生き抜くためのスキルも重要です。
その他善行や悪行で左右されるカルマ値や、放射能のダメージ量であるRAD値など特殊なステータスもあります。
FPS/TPSだけど実際のところはRPG
FPS/TPS(いつでも切替可能)で探索や戦闘などが行われます。
エイムなどのテクニックより、「V.A.T.S.」システム(後述)のこともあってプレイヤーキャラのステータスや装備が重視されるゲームバランスです。
初心者でも安心V.A.T.S.システム
敵の頭や胴体などの部位を自動的に狙い撃ってくれる「V.A.T.S.」システムがあります。
V.A.T.S.システムだけでもほとんどの難局を乗り越えられるぐらいに強力なので、銃撃戦が苦手なプレイヤーでも安心の作りです。
良かったところ
徹底的に作られた世界での体験
このゲームで感じた最大の魅力はなんといっても、核戦争後の世界の冒険や探索、そして体験でした。
TESシリーズ(スカイリム、オブリビオンなど)もそうですがベセスダの製作するゲームは、冒険への没入感が本当に最高です!
どうしてそこまで没入感の高い体験ができたのかを、いくつかの項目に分けて解説していきます。
想像力を刺激する作り込み
よくあるような机や食料品からブリキ缶に子供のおもちゃまで、膨大な数のオブジェクトが存在します。
ただ無意味にばら撒かれてるのではなく、例えば台所なら鍋や食料品が散乱してたり、オフィスならクリップボードやコンピュータあるいはマグカップなど、戦争前の生活を垣間見えるような配置にされてます。
そういった細部まで徹底してこだわり抜かれたところが、没入感をより強いものにしていました。
またコンピュータにログが残っていたりするので、その建物にまつわる思わぬエピソードを知ることができたりするようなところも、想像力や冒険心をそそられて良かったです。
クエストと選択肢
クエストはただのお使いになるということはなく、ストーリー性を感じるものが多いです。
(ただのお使いミッションも少なからずありますが)
どうやって解決するかも自分次第であり、話し合いによって解決しようが、暴力によって解決しようが思い通りに進められます。
自分の行動によってクエストの結末が大きく変わるので、そういった要素が冒険の楽しさをさらにひと押しかけてます。
中には後味悪いクエストもあり、より良い選択肢を選んだつもりが最悪の結果を引き起こすなんてこともあるのがまさにリアル…。
あらゆる要素を駆使して生き延びろ!
戦闘にはなかなか創意工夫が求められるモノで、生き残るにはあらゆる要素を考える必要があります。
動物相手には「V.A.T.S.」で足を狙い撃って距離を取ったり、複数相手に襲われるとひとたまりもないので隠れながら一人ずつおびき寄せたり…。
ただ戦闘をこなすだけでも似たような状況になることが少なく、リアリティのある冒険らしさをより一層深めてるように思います。
また万全の状態でないときに冒険するのは自殺行為に等しいので、何らかの方法で体力を回復する必要があります。
シミの付いた汚らしいベッドで寝て回復なんてのはまだ恵まれてる方で、便所の水をすすったり巨大化したゴ○ブリの肉ですら貴重な体力回復の手段となることもあって、いかに自分が過酷な世界で冒険してるのかを思い知らされますよ!
ここはイマイチ
アクション性が物足りない
照準は狙ったところに撃ってくれないし、ヘッドショットを決めようがピンピンしてたりと、やや理不尽さを感じ爽快感を得られることがあまりなかったです。
しかも「V.A.T.S.」が強いところもあるので、アクションゲームとしての楽しさはイマイチでした。
(初心者に優しいといえばそうなのですが)
結局のところ弾薬を惜しまず火力でゴリ押しするようなことになってしまうので、ゲーム慣れしてる人ほど単調でつまらない戦闘に感じるのではないでしょうか。
プロローグが長い
主人公の幼年期からストーリーは始まるのですが、正直かなり退屈でした。
プロローグとなる部分がかなり長いので、このゲームの最大の魅力である荒廃した世界での冒険の楽しさを得られず出鼻をくじかれます。
そのせいでせっかく購入してプロローグが終わるまでプレイしたものの、その時は面白さがイマイチわからずしばらく積みゲーと化してました。
バグやフリーズなどの不具合
とにかくバグやフリーズによく遭遇します。(PS3版)
バグはオートセーブ機能によって命的な状況になることはなかったのですが、それでもある程度巻き戻しを食らったりするので面倒です。
特に深刻なのがフリーズで、かなりの頻度で遭遇します。
使用してるセーブデータの容量が大きくなると(10MBが目安)、フィールドを移動するだけでもかなりカクカクしたり、「V.A.T.S.」を使うと高確率で固まったりします。
なので1つのセーブデータでメインストーリーをクリアしてDLCをクリアするなんて事はほぼ不可能です。
(個人的には周回プレイが楽しかったので、DLCポイントルックアウト以外そこまで問題にはならなかったですが…)
ちなみにPC版ならある程度快適だと思われます。
誤訳の多さ
この作品には各キャラクターに名前がついていたり、生物や組織など非常に多くの用語が存在します。
にもかかわらず日本語への誤訳が多すぎるので、会話中に「こいつ何言ってんだ…」となることが少なくないです。
さらに多くのプレイヤーはクエストをたくさん並行して行うことが多いと思うので、誤訳によって状況把握がしづらく没入感を削ぐこともあります。
このあたりは安定のベセスダクオリティですがこのFO3はまだマシな方だったり…。
総評、終わりに
核戦争後の世界を冒険するFPS/TPSのオープンワールド型アクションRPG。
TPSやFPSの部分はそこまで重視されず、実際のところRPGといったゲームバランスであり、アクション部分だけを見ると凡作と言われてもおかしくはないです。
さらにバグやフリーズ、誤訳といった多くの問題点を抱えてる一面も…。(PC版ではマシになってます。)
しかしこの作品の最大の魅力は冒険に対する圧倒的な没入感であり、それらの不満点を覆せるほどの魅力があります!
アドベンチャーの部分を見るとこの作品を超えられるモノなんてほぼ無いと言っても過言ではないです。
徹底的に作り込まれた世界観による冒険は、このゲームでしか味わえない最高の体験になるかもしれません。
またゲームシステムは慣れるまでややこしいものの、難易度を自由に調整できたり、「V.A.T.S.」システムのおかげで初心者でも楽しみやすいと思います。
問題点も多く人を選ぶゲームではありますが、個人的にはゲームを普段やらない人にこそ是非遊んでほしい作品です!
(ただしグロテスクな表現があるので苦手な人は注意!)