スクウェアから発売された「ロマンシング・サガ3」(SFC)のレビューをします。
20年以上前になりますが、今なお輝くところがある作品です!
当サイトはアフィリエイト広告を利用しております。
概要
「ロマンシング・サガ3」は1995年にスクウェア(現スクエニ)から発売されたRPG。
WiiとWiiUのバーチャルコンソールでも配信されています。
「サガシリーズ」のうちの1作であり、フリーシナリオシステムや8人の主人公など意欲的な作りが特徴です。
そのほか美麗なドットグラフィックやカッコいい戦闘曲なども高い評価がされています。
また2019年には各コンシューマにスマホ、PCとそれぞれにリマスター版が移植されることが決定済み。
プレイの様子
ストーリー
300年に一度「死食」が起こり、その年に生まれた生命は全て失われるといった厄災がありました。
しかし死食の中でただ一人の子だけが生き残り、600年前は魔王として世界を荒廃させ、300年前は聖王として世界を安定に導きます。
そして3度目の死食で、またもや一人生き残った子は一体どんな宿命が与えられたのか…。
3度目の死食から15年後、ロアーヌ侯国での反乱からプレイヤーの物語は始まります。
フリーシナリオシステム
本作では「フリーシナリオシステム」を採用しており、どこを旅するのも自由!
攻略していく順番こそ自由ではありますが、マルチエンディングではないのである程度決まったストーリーになります。
8人の主人公と多数の仲間
はじめに8人の主人公の中から一人を選択します。
主人公に選ばなかったキャラクターも後に仲間にすることができます。(一人除く)
また仲間の数が多く様々な条件などはありますが、総勢30名近いキャラクターを仲間にすることが可能です。
戦闘はターン制のコマンド式
戦闘システムはターン制で各キャラのコマンドを選んでいく方式です。
また主人公を戦闘メンバーから外した場合には、仲間が自動的にコマンドを選ぶ「コマンダーモード」があります。
Lv制ではない成長システム
成長する要素はあるもののLvの概念が存在しません。
HPや技・術レベルは戦闘後にランダムで上昇していきますが、筋力や魔術などのパラメータはキャラクターによって固定されています。
戦闘中に技を覚えるひらめきシステム
ロマンシングサガシリーズ恒例の「ひらめき」システム。
敵との戦闘中に突然閃いて、新しい技を覚えます。
相手が強いほど強力な技を閃きやすいので、ピンチをチャンスに変えてくれるあたりがまさにロマンシング。
シンボルエンカウント制
基本的に雑魚敵はシンボルエンカウント制で接触すれば戦闘になります。
しっかり敵の動きを見て逃げれば、エンカウントせずに切り抜けられる絶妙なバランス。
ただし自分がダッシュすると、敵の表示が影だけになり見にくくなります。
美麗なドットグラフィック
当時のRPGである「クロノトリガー」や「DQⅥ」などと比べて、アニメーションこそは少ないですが、書き込まれたドットグラフィックが魅力的!
今だとやはりフォトリアルな映像がキレイですが、こういったドットグラフィックも味わい深いモノがあります。
戦闘曲をはじめとしたイカした音楽
「伊藤賢治」さんが手がける戦闘曲がメチャクチャカッコいいです!
バックグラウンドの枠に収まらないノリの良いバトル音楽で、当時の自分はそのカッコよさに衝撃を受けました。
また戦闘曲以外も耳に残る名曲揃いです。
本編そっちのけでハマるミニゲーム
2つのミニゲームが用意されています。
資金力や駆け引きを使って物件を買収していく「トレード」。
指揮官となって軍隊を指揮する「マスコンバット」。
どちらもクセのある面白さで、本編そっちのけで遊んでしまうこともしばしばありました。
良かったところ
遊び方の幅が広い
このゲームの魅力はなんといっても、何周もやりたくなるようなやり込みの深さや、遊び方の幅の広さだと思います。
レアアイテムや強力な技を覚えて最強データを作るコレクタープレイも楽しいですし、周回しやすいゲームなのでRTAなど効率を追い求めた遊び方をするのも良いです。
また最初にどの主人公を選んだかによって一部イベントが増えたりするので、いろんな主人公を選んで周回するのも面白い。
どこからでも攻略していける「フリーシナリオシステム」や突然強力な技を覚えることがある「ひらめき」のおかげで、よりプレイスタイルに幅が生まれます。
先に強力なアイテムを集めたり、技を覚えてから攻略していくなどと、自分で攻略ルートを考えながら遊んでいくのも楽しみ方の1つ。
こういった要素のおかげで、かなり自由に進んでいけるので周回に飽きが来ることなく、何周も遊びたくなるな作りでした。
とにかくストレスのない作り
こういった遊び方の幅の広さによる周回プレイを支えるのが、なるべくストレスを廃した作りがされてるというところ。
例えばRPGだとLv上げが面倒なので「周回なんてやってられない」と感じる方も多いかもしれませんが、本作ではLv制ではないので強敵と戦っていればポンポン強くなっていきます。
さらに雑魚はシンボルエンカウント制なのでプレイヤーに避けるテクニックがあれば、ほとんど戦わずにダンジョンのボスまでいけます。
しかもエンカウントしてしまっても、「退却」を選べば確定で逃げることが可能。
(道を塞がれると避けようがないですけどね)
さらにシステム周りもストレスフリーな作り。
SFCなのでロード時間が非常に短かいので、場面の切り替えがスムーズです。
またメニューを開ける場所なら、どこでもセーブをすることが可能なので、たとえ負けてしまっても直前の状態からできるところもポイント。
(ただしどこでもセーブは作りがやや甘く、いわゆる「ハマり」になりそうな可能性もあるので注意したいところではありますが)
ここはイマイチ
とっつきにくいフリーシナリオ
慣れてしまえばプレイの幅が広がって楽しいフリーシナリオシステムですが、はじめてのプレイだと何をすればいいのかわからなくなります。
RPGなのでイベントを消化したり、街の人と話すことで次に進むフラグが立つのですが、非常に不親切でわかりづらい。
普段は「ここは〇〇の街だよ!」ぐらいにしか言わないどうでもよさそうなおっさんでも、ある条件を満たすことで急に次のイベントに関わるセリフを発したりするので、初見プレイだとかなり迷ってしまう可能性があります。
ボツ要素の多さ
これはイマイチというよりもファンだからこそ残念だったというポイントです。
消化不良のイベントだったり、データこそはあるものの実際に出てこない敵だったりと、ボツ要素が多かったりします。
会話の内容には度々登場するものの登場することのなかった「ルートヴィッヒ」関連のイベントや、何かありそうで結局何もない「水晶の都」などなど。
何かありそうと思わせぶりを発揮しながら、何もなかったりするので肩透かし感が半端ないです。
他にも魔王の行方や、聖王とその仲間たちのその後も気になりますが残念ながら語られず…。
余談ですが、「ロマンシングサガ リ・ユニバース」の事前登録で町長を仲間に入れられる特典がありますが、違うそうじゃない!
僕らが欲しいのはそんなくだらない特典ではなく「町長をボコボコにする権利」が欲しいんだ!
総評、終わりに
フリーシナリオや独特な成長システムなど1995年に発売されたRPGとして非常に尖った作りです。
さすがに古いゲームなので、その尖った作りは今となってはそれほど独特なモノではありません。
とはいえ遊び方の幅の広さとストレスを廃した作りで、今の作品にも負けない面白さを持っていると思います。
思い出補正は十分にありますが、今プレイしてもなお面白いと感じた作品でした。
ちなみに主人公のオススメは固有ダンジョンがある「ハリード」かマスコンバットが楽しい「ミカエル」か他の主人公だと仲間にすることができない「カタリナ」あたりです。
(ミカエルは2周目以降推薦)