【やがて君になる】感想。特殊な事情の百合恋愛を真摯に描いた作品!

TVアニメ「やがて君になる」の感想と作品の紹介をしていきます。(軽微なネタバレあり)

登場人物の誰もが特殊な事情を抱え歪んでいる。けれども心動かされる魅力がありました。

作品の概要

やがて君になる 2人

人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、
中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。
そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。
燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──
「私、君のこと好きになりそう」

人に特別な気持ちを抱くことができない「小糸侑」と、自分自身を好きになれず他人の好意を受け入れることができない「七海橙子」。

そんな2人の同性愛を描いた恋愛作品。

「月刊コミック電撃大王」で連載中の漫画が原作です。


全13話
主な属性:恋愛、百合、同性愛、学園、生徒会、青春

スタッフ
原作:仲谷鳰
監督:加藤誠
シリーズ構成:花田十輝
脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:合田浩章
音楽:大島ミチル
アニメーション制作:TROYCA
キャスト
小糸 侑(こいと ゆう):高田憂希
七海 燈子(ななみ とうこ):寿美菜子
佐伯 沙弥香(さえき さやか):茅野愛衣

槙 聖司(まき せいじ):市川太一
堂島 卓(どうじま すぐる):野上翔
叶 こよみ(かのう こよみ):小原好美
日向 朱里(ひゅうが あかり):寺崎裕香
箱崎 理子(はこざき りこ):中原麻衣
市ヶ谷 知雪(いちがや ともゆき):興津和幸

個人的な感想

やがて君になる 侑

原作は未読で、前評判の高さと何故か百合作品ってことだけは知っていた状態での視聴です。

タイトルが「やがて君になる」なので、底知れぬ重さや闇の深さがふと頭をよぎりましたが、一体どんな物語になっているのやら。

大真面目に百合を描く作品

やがて君になる 手をつなぐ

百合を恋愛の一つの形として、真面目にそして真摯に描いてる作品だと思いました。

アニメや漫画における百合といえば、お互いのことが好きだけど友情の延長線のような形だったりと、軽い感じやギャグで誤魔化したりなどが多いです。

ですがこの作品はあくまでも恋愛としての百合であり、そうなるまでの成り行きや気持ちの動き方がしっかり描かれています。

(あとちょっぴり生々しい描写も!)

僕は同性愛についてちゃんと向き合ったことはないですし、どんな気持ちで好きになっていくのか考えたこともなかったです。

ですが見続けていくと恋愛に発展するまでの過程を丁寧に描写しているので、「ああなるほどそうなるのか」とすんなりキャラクターたちの気持ちが伝わってきました。

百合を描いた作品は数あれど、この作品ほど真面目に描かれたものは初めてなので衝撃的でしたね。

誰もが歪み悩んでいる

やがて君になる 出会い

いやあもうタイトルから何だか予想していましたが、登場人物の多くが歪んでいる…!

補足しておくと、歪みとはいえ日常生活で表面上出るものではなく、人間なら誰でも持っているような悩みが少し大きくなったモノだと考えてます。(ただし一部除く)

主人公の「小糸侑」は誰に対しても特別な感情を抱けないことを悩みに持つ少女。

先輩でありパートナーとなる「七海橙子」は、自分のことが好きになることができない少女。

橙子は侑の悩みを聞き、「侑なら自分を好きになることはない」という、なんとも歪みきった理由で半ば強引に付き合っていくことになります。

本来ならあまりにも特殊すぎて全く共感できないであろうシチュエーション。

ですが橙子の歪んでしまった理由や彼女の想いを知ってしまうと、視聴者としてもいつの間にか気持ちを入れ込んでいました。

そして振り回されっぱなしだった侑も、橙子の壊れそうなほどに脆い本性を見て少しずつ変わっていきます。

その果てに得た想いが、侑の行動が、ちょっと青臭いけれども本当に尊いものだと感じました。

心理描写と演出

やがて君になる 橙子

そんな特殊で濃い恋愛を描く本作ですが、アニメーションとしてもすごく出来が良かったです。

ちょっとした仕草や演出についても全力で描かれており、本当に抜かりがない。

この作品を良いものにしようといったスタッフの意気込みが伝わってくるほどでしたね。

あと心理描写と演出がすごくマッチしてるのもポイント。

登場人物の揺れ動く気持ちを上手く映像として演出できているので、アニメーションとして見ることができて本当に良かったです。

おわりに

やがて君になる ロゴ

真剣に恋愛としての百合を描いた恋愛作品。

非常に特殊な恋愛事情ではあるものの、そのぶん心理描写を丁寧に描いています。

なので困惑しながらも、つい気持ちを入れ込んでしまうほどの魅力的なドラマがありました。

特殊な恋愛事情ゆえに、人によって見方は大きく変わってくると思いますが、アニメーションとして持ってる力は間違いなく本物。

彼女たちの想いにきっと心を動かされると思うので、気になった方はぜひ見てもらえればと思います。

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